酒に対する考え方・・

東京スカイツリー5

私自身も勿論そうですが、断酒を始めようとする人というのは、自分の酒の飲み方はどこか普通の人と違っておかしいのでは、このままでは自分は酒でダメになってしまうのでは、というような思いがきっかけになって、断酒を始めることが多いように思います。

酒を知った当初は、人生の潤滑油として、こんな素晴らしいものがあるのかと思った時期もありましたが、徐々に日々の生活が酒に蝕まれ始め、遂には完全に酒に支配された日々に陥る中で、何とかして今の地獄から抜け出すために、断酒に救いを求めるのだと思います。

但し、それまでの酒に溺れた生活から一転、酒を全く断ち切る生活には簡単に切り替えられるものではありません。

これは皆さんもよくご存じのことだと思います。

当時の私は、何とかして断酒を継続させるために、「酒に対する自身の考え方」を変えることは出来ないかと考え、その時にある一冊の本と出合いました。

それが、「禁酒セラピー」という本です。

当時、この本のことを記事にもしました。

断酒・禁酒にトライしようと思い立ったとき、事前に「本」等で関連の知識を得ておこうと思う方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私自身もそうでした。

昨年11月に初めて本格的な断酒にトライしようと決心した際には、amazonで「アルコール依存症」や「断酒」に関連する本にはどういったものがあるのかということを事前に調べました。

そこで目に止まったのがこの本です。

禁酒セラピー [セラピーシリーズ] (LONGSELLER MOOK FOR PLEASURE R)

「禁酒セラピー」

断酒における一種のバイブルのような本で、このブログをご覧頂いている断酒中の方々の多くも、一度は読まれたことがあるのではないかと思います。

この本の中で自分自身が強く感銘を受けたポイントが大きく2箇所あります。

1つ目は冒頭の方で出てくる「ハエと食虫植物」の話です。

食虫植物というのは昆虫を食べてしまう植物のことです。

ウツボカズラ

上の写真は食虫植物の一種で「ウツボカズラ」という植物です。

何とも異様な形をしています。

この不気味な細長い袋の内側部分には甘い蜜が蓄えられており、その蜜の甘い匂いが周囲のハエを刺激します。

そして、その甘い蜜の匂いに誘われてやってきたハエは、水差しのような形をしたこの植物の内側のネバネバした蜜を夢中になって貪り(むさぼり)始めます。

食虫植物の入り口部分はハエが気づかないほど微妙な角度の滑り坂になっており、内側は下向きに生えた細かい毛で覆われています。

憐れなハエはご馳走のことで頭がいっぱいで、滑り坂の角度がどんどん急になることに気づかないまま、奥へ奥へと入っていくのです。

この説明を読んで、何かに似ていると感じませんか? 薬物依存の罠とそっくりだと思いませんか?

底には蜜で半分体が溶けかかった仲間の死体がたくさん見えます。

「だけど僕だけは、ああはならない。僕はまだコントロールを失っていないのだから、出たくなったら飛んで出ればいい」

-「禁酒セラピー」より-

酒浸りの生活に嵌まっていた当時の私は、「酒を飲んで酔っ払う」という「あまりにも手軽すぎる快感の代償」として、「真綿で首をゆっくりとゆっくりと締め続けられる」日々を余儀なくされてきました。

まさに、この「ウツボカズラ」の中で蜜を貪っているハエと全く同じ状況です。

ですが肝心の本人はというと、そういった危機的な状況に自分がいるということに全く気付いていません。

その理由はただ1つ、どん底まで落ちていくスピードがとてもとても遅いからです。

更にこの本では、普通に酒を楽しんでいる人達もまた、この植物の中にいるハエと同様だと言っています。

結局のところアルコール依存症であるかどうかに関わらず、酒という「毒」を恒常的に体に取り入れている時点で、程度の差こそあれ「甘い蜜に夢中になっている間に食虫植物の餌食となってしまっているハエ」と実態はなんら変わらないということです。

普通に飲む人とアルコール依存者の間に体質的な違いなどなく、お酒を飲む人はみんな、食虫植物の中のどこかにいる。

ただ、底までどれだけ距離が残っているかの違いだけなのです。

-「禁酒セラピー」より-

 

もう1つ感銘を受けた点は、今回のタイトルにもしていますが、「人間の体の偉大さ」について言及している部分です。

6時間の睡眠の後、体の疲れはすっかりとれ、エネルギーが体内にみなぎるのを感じる。

何の心配事もなく、新しい1日の始まりにわくわくする。

-「禁酒セラピー」より-

私自身、昨年11月に断酒を始めて以来、毎朝このことを強く実感しています。

断酒をされている方々の多くもまた、実際にこの感覚を毎朝味わってらっしゃるのではないでしょうか。

酒を飲んでいた当時の私は、「朝」というものが怖くて仕方ありませんでした。

前の晩にタラフク酒を楽しんだことの代償として、「辛い寝起き」、「二日酔いの頭」、「不快な胃もたれ」、「酒でむくみ切ってしまった顔」、「死人のような目付き」、「多量の酒を飲んでしまったことに対する罪悪感」、このような数々のハンディキャップを自分自身に課した状態で職場に向かっていました。

逆に言えば、これだけの「毒」を毎晩毎晩注入していながらも、私の体は何とか毎日活動が出来るくらいの余力は残っていたということです。

そして今現在はこうした「毒」を完全に体内からシャットアウトすることが出来ています。

朝一番から完全に体が機能するのも当然と言えば当然です。

昨日の記事でも書きましたが、このクソ暑い日が続く中、1日の仕事が終わって家に戻って来た時には、もう心身ともにヘバリ切ってしまっています。

ただそれでも6時間程の睡眠を取ることで、翌朝には完全にリセットされた自分に生まれ変わることが出来る。

改めて人間の体の偉大さを感じる毎日です。

最後に再び禁酒セラピーです。

お酒は体に悪いとわかっていても、「やめよう」と思ってやめると、かえって惨めな気分になってしまいます。

心にぽっかり穴が開いてしまって、死ぬまでその穴とともに生きなくてはならないと感じるのです。

お酒をやらない平凡な暮らしよりも、お酒を楽しみながら短く生きたほうがいいと開き直っていたのはこのためです。

その考え方が正しければ、今でも私はお酒を浴びるように飲んでいるはず、いや、その結果もう死んでいるかもしれません。

しかし、幸いにも、私の考え方は間違っていました。

お酒をやめてみて驚いたのは、飲んでいた時よりも自信に満ちた自尊心のある人間になれたこと。

毎日を溌剌とした気分で送れるようになりました。

そして何より、生きていて良かった!と思えるのです。

-「禁酒セラピー」より-

酒を「やめよう」とするのではなく、自然と「酒」という存在から距離を置きたくなる、そうした考えに導くことがこの本のひとつの目的だということのようです。

断酒を検討されている方で、まだこの本を読まれていない方は、一度読んでみるのも良いのではないかと思います。

禁酒セラピー [セラピーシリーズ] (LONGSELLER MOOK FOR PLEASURE R)

禁酒セラピー [セラピーシリーズ] (LONGSELLER MOOK FOR PLEASURE R)

  • 著者アレン・カー
  • 価格¥ 977(2018/07/17 22:31時点)
  • 出版日2011/12/23
  • 商品ランキング1,963位
  • 新書207ページ
  • ISBN-104845408880
  • ISBN-139784845408887
  • 出版社ロングセラーズ

 

断酒を始めてすぐの頃、居酒屋の前を通った際に、店内で楽しそうに酒を飲んでいる人々を見て、「自分はとうとう酒も楽しめない人間になってしまったんだ・・」と憂鬱な気持ちになったこともありました。

ただ、この本を読んだ後は、「酒を飲めない自分」ではなく、「もう酒を飲まなくてよい自分」というふうに考えられるようになり、少し気持ちが楽になったことを覚えています。

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