「吉原物語15」そして遂に人夫の仕事に別れを告げる時が・・

今日も吉原物語です。

2010年3月から始めたこの人夫の仕事も、ちょうど半年が経過した頃です。

いよいよ9月に突入し、いつもの半年周期で仕事を辞めるパターンに入りつつありました。

職場から逃げ出すための外部要因も揃ってきています。

寮を出て一人暮らしを始めたこと。

精神的なストレスもパンパンに蓄積していました。

周りの人に気を遣わなくて済む産廃処理の現場での仕事が少なくなり、逆にストレス過多の解体現場に回されることが増えていたというのが大きな要因です。

そして肉体的な疲労もピークに達していました。

この年は6月くらいから徐々に暑くなり始め、その中で週6日の仕事を続け、そして寮ではエアコンすらない中での日々を過ごしてきました。

そして6月から7月、8月と夏のピークを過ごしていく中で、肉体的な疲労がかなり蓄積していたのは間違いありません。

もうひとつ、仕事から逃げ出したくなる衝動が抑えられなくなってきた理由があります。

それは、本当に僅かではありますが、「手持ちの現金があった」ということです。

一人暮らしを始める際にかなり出費がかさんだため、それほどの額を持っていた訳ではありませんが、半月ほどは飲み食い出来る金があったんだと思います。

このように仕事をドロップアウトするには申し分ない条件が揃った中で、いよいよXデイを迎えることになりました。

2010年9月10日頃。

確か休み明けの月曜日でした。

午前5時半、いつもの時間に携帯のアラームが鳴ります。

「今日もあの解体現場に回されるんだろうな・・」

「あの気の狂ったような監督の下で、このクソ暑い中、1日中モノ扱いされて働かなければならないのか・・」

「正直、やってられないよな・・」

目は覚めていますが仕事に行く気が起きません。

少し迷いましたが、もう既に心の中ではどう行動するか決まっていました。

会社に連絡を入れます。

「おはようございます。スイマセン、ここ最近の暑さで体調が悪いので、休ませて下さい」

「そうか、わかった・・」

会社側も自分が以前熱中症で倒れたことも知っているので、無理強いはしません。

そして1日ポッカリと時間が空きます。

このクソ暑い中、仕事に行かずに済んだこと、そして誰にも怒鳴られなくて済んだことに少しホッとはしています。

ただ、休んだことで日銭が入ってこないことを考えると正直相当痛いのは確かです。

自分で勝手に休んだのですから、そのような虫のいいことを言う資格は当然無い訳ですが、どうしてもこうしたことを考えてしまいます。

この当時、おそらく手持ちの金は数万円程度でした。

所詮人夫の身分、これが私の全財産でした。

つまりここで働くことを止めれば、翌月分の家賃を払うことすら出来ません。

ですので長期で休んだりする余裕は本来ない筈です。

ただし、こうして1日休んでしまった。

確かに疲れは溜まってはいたものの、どうしても仕事に行けない程では正直ありませんでした。

そうした自己嫌悪、後ろめたさ、自分の根性の無さ、そうしたものがない交ぜになって自分を責め続けます。

そしてポッカリ空いた時間を埋める方法はただ1つです。

昼から部屋でひとり酒を飲み始めます。

いつもの、本当にいつものパターンです。

この状況になると本当に自分だけの世界に入り込んでしまい、状況を客観的に見ることが全く出来なくなってしまいます。

今この記事を書いている自分であれば、このように思います。

1)仕事を1日休んでしまったことは、もうしょうがない。

2)確かにクソ暑い中、3ヵ月も必死に頑張ってきたのだから疲れが溜まるのも当然だろう。

3)職場のどうしようもない監督連中がいるというのも、やはりこうした人夫の世界では普通のことなんだろう。そうした意味では、この仕事に別に無理にこだわる必要はないし、別に辞めるなら辞めるで構わない。

4)ただ手持ちの金もそれほどある訳ではないし、来月の家賃もなんとかしないといけない。今の仕事を辞めるのもひとつの選択だが、その場合でも日払いで金が貰える仕事を当分はやらないといけないだろう。

5)今は部屋もあるし携帯もつながる。今ならまだ間に合う。

6)人夫の仕事にこだわる必要はないけれども、動くなら早めに動かないと。

今の第三者的な立場からであれば、このようにある程度客観的に物事を判断することが出来ます。

ですが、この時、当事者である自分はどうしてもいつもの「ひとりでの延々とした自己嫌悪ループ(酒付き)」から逃れることが出来ませんでした。

部屋にひとり閉じこもって、悶々としながら酒を飲んでいる自分の背中が目に浮かびます。

今は酒を断っているため、ここまで無駄な「自己嫌悪ループ」に陥ることはありませんが、それでも実際につい10日ほど前まではこれと似たような状況にありました。

前職の辞め方を引きずり、次の職探しにもあまり身が入らず、シアナマイドが無ければ確実に酒に手を出していたでしょう。

そして上と同じような「無限の自己嫌悪ループ」に突入していたと思います。

毎回この半年周期のパターンに陥ったとき、後で振り返って一番に反省することは、「延々と無駄に悩んで時間を浪費するのではなく、スパッと心を切り替えて、すぐに次の行動に移るべきだった」ということです。

本来であれば、半年ではなく1つの仕事を長く続けること、それが一番良いということは、さすがの自分でも理解しているつもりです。

ただ、これまで20年もの間、そう頭の中では思っていても実際の現実社会の中では色々な自分の弱さから、どうしても半年程度で仕事を投げ出してしまう。

さすがに、「それはもうそういう人なんだ、自分は」というふうに諦めにも似た思いも確かにあります。

そうすると百歩譲って「半年で仕事を辞めてしまうのは仕方が無い」としてみます。

ただそこで、せめて半年で辞めることになったとしても、自己嫌悪に陥って無駄に時間を浪費するのではなく、すぐに次の仕事を探すという行動に移ることが出来れば、これ程の痛手を毎度毎度受けることもなかったのではなかろうか、そのようにも考えます。

とにもかくにも、精神的、そして肉体的にもある意味自分の限界を迎えていた私は、とうとう「半分仮病による欠勤」という、いつもの地獄パターンへの1歩を踏み出してしまいました。

そして、そのままひとり自己嫌悪にまみれながら酒を飲むという、いつもの行動を取ります。

酒を飲み始めた瞬間に、時間の経過スピードが驚く程に速くなるというのも毎度のことです。

あっという間に夜を迎えます。

そこで、いつもと同じ堂々巡りが始まります。

酔った頭で考えます。

「明日こそは仕事に行こう。そうしないと金もヤバイことになる。さすがに出勤しよう」

そして迎えた翌朝。

二日酔いで酷いことになっています。

本来であれば1日仕事を休んだことで、体力も大分回復しているはずです。

でも実際は、酒による疲労が溜まって逆に前日より体調が悪くなっています。

この時はたしか2日目にして、会社に連絡を入れることなく携帯の電源を切ってしまったように思います。

よくあるパターンは2日目の欠勤までは会社に連絡を入れるけれども、3日目から無断欠勤。

このパターンが多いですが、この時は内心で「日払いの人夫の仕事」という割り切りもあったのでしょう、2日目にして無断欠勤をしてしまいました。

さて、こうなるともう職場への復帰は全く頭にありません。

かと言って、来月の家賃の振込み期限も迫っています。

更に更に、サラ金2社への支払いも待ってはくれません。

ひとり部屋にこもり、私は酔った状態で延々と頭を悩ませていました・・

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