「吉原物語25」ボーイの仕事とは立つこと、ただひたすら立っていること・・

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引き続き2011年9月16日、ボーイとしての勤務初日のことを書いていきます。

12時からの営業開始に備えて、午前中の作業は掃除がメインです。

先輩ボーイのTさんとペアになって、トイレ、待合室、カウンターのテーブル、照明、入り口ドア等の掃除を進めていきます。

実際にはこうした掃除作業は30分程度で終わり、11時くらいには一旦作業が落ち着きます。

店長や主任クラスの人達は、ここから当日の予約の確認やお客への連絡、ソープ嬢の出勤確認等色々とやる事があるようなのですが、我々下っ端のボーイ達はやる事は何もありません。

店内のある場所を指定され、そこに立っているように言われました。

ただひたすら立っていることが仕事・・

午前11時頃から深夜24時過ぎの営業終了までの約13時間、食事と休憩の時間を除いては「ほぼ1日中立ち続けることが仕事」という苦行の日々が、こうしてスタートすることになりました。

私にとって不幸中の幸いだったのは、ソープでの勤務を始める2週間程度前から、既にネットカフェ等に泊まる金も尽きており、結果日中はアテもなく街を徘徊し、夜はマックのコーヒ1杯で凌ぐというような生活を続けていたため、「ただひたすら立ち続ける」という苦行に対して、ある程度の耐性が備わっていたということでした。

とは言え、初日で何もわからないまま緊張した状態で、ただひたすら立ち続けるということは、当然時間の経つ感覚も非常に遅かったですし、やはりなかなかシンドかったことを覚えています。

そうこうしている内に11時を少し過ぎた頃、1台の送迎車が店の前に停車しました。

するとドアの前に立っていたボーイのTさんが慌てて外に出て、後部座席のドアを開けます。

そこから大柄な初老の男性が降りてきて、そのまま店の中に入ってきました。

店長はじめ主任、先輩ボーイ達が幾分緊張した面持ちで皆一斉に

「お早うございます!」

と挨拶をします。

私もとっさに皆を真似て挨拶に加わりました。

年齢は60歳前後、その大柄な体格と鋭い目付き、そして全身から溢れるオーラというか、迫力は凄いものがありました。

一目でこの店のオーナーであることがわかりました。

そのままフロントに入って店長と話を始めています。

店内が、それまでとは違ったピンと張り詰めたような雰囲気に変わりました。

但しオーナーは我々下っ端のボーイに直接話しかけてくることは特になく、再びひたすら立ち続けるだけの苦行の時間が再開しました。

ふと時計を見ると、まだ10時半の始業から1時間も経過していません。

「本当に今日最後まで働き終えることが出来るだろうか・・」

「逃げ出すとしたら、昼飯の時間帯かな・・」

このようなアテもない考えが頭に浮かんでは消えていきますが、とは言え、いざ勤務中に逃げ出したとしても手持ちの金も無ければ、帰る家も、そして携帯すらありません。

「何とかあと13時間立ち続けることに我慢できれば、日払いで貰える現金2千円で、幾ばくかの酒が飲める・・」

「酒が飲める・・」

この思いだけで、何とか踏ん張っていたように思います。

そしてこの後、いよいよ店の主役であるソープ嬢達の出勤が始まってきます。

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